海外旅行とバスとパスポート

初めての自由旅行はイギリス。一緒に行った友人が、何故かヴァージン・アトランティックで行きたいと言い出し、そのため成田空港からの出発することになりました。関西からひとまず羽田へ向かい、そこから成田へはリムジンバスでの移動です。手荷物はバスのトランクに預けて乗り込みました。旅行シーズンがスタートする7月、リムジンバスはぎっしりで、道路も混んでいます。もうそろそろ空港…と思った時、係員が乗り込んできてパスポートのチェックが始まりました。

まだバスの中なのに、パスポートのチェック!?成田ではテロ警戒のため空港に入るだけでも身分証のチェックがあるということを私は全く知らなかったのです。焦りました。というのは、私は初めての自由旅行に備えて用意したセキュリティーポーチにパスポートを入れて、既に腰に巻いていたのです。隣に座っていた友人はバッグからさっさとパスポートを取り出しましたが、私はこっそりジーンズのボタンははずし、もぞもぞと動き、何とかセキュリティーポーチを引っ張り出しました。もちろん何ごともなくチェックは終わり、今から思えばどうということのない出来事ですが、本当に焦った思い出です。

それから十年以上も過ぎた頃、私はハンガリーからオーストラリアのウィーンへ向かう国際バスに乗っていました。国際バスと言っても、前日に予約をしようとしたら、「予約はできない。当日バスに乗る際に料金を払えばいいから」言われたほどで、ヨーロッパの人たちには国境を超えるということは日常的なことだと感じさせる気楽さがありました。ふと気が付くとバスが一向に前に進まなくなりました。渋滞?と思いましたが、そうではなく、まさに国境を通過しようとしていたのです。

運転手が一番前の座席に座っていた女性に何かを告げると、彼女は立ち上がって乗客全員のパスポートを集め、運転手に渡しました。運転手は一旦バスを降り、しばらくして戻ってくると、パスポートの束を先ほどの女性に渡します。女性はまた一人一人にパスポートを返し、何事もなくウィーンに到着。バスを降りる際、彼女がバスガイドでもなんでもなく、乗客の一人とわかり驚きました。しかもハンガリー人でもオーストリア人でもなく、スウェーデン人だということ。パスポートの重みというものがわからなくなりそうな、ちょっとおかしく思い出す出来事でした。

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