現在30代の女性ですが、20代時に海外旅行に行くのを趣味にしていました。だいたい1年に1度か2度、欧州へ出向くのですが、特に夏の旅行を好んでいました。ハイシーズンであるため、飛行機のチケットはどれだけ探してみてもさほど「格安」ではなく、10万円を切らずにいけることはありませんでしたが、蒸し蒸しと過ごしにくい日本の酷暑から抜け出て、爽やかな涼しさを満喫する贅沢は魅力的でした。私は暑さに非常に弱い体質で、毎年夏バテを起こしていたからです。

その年も、7月の下旬にフランス・スペイン・イギリスを回る三国周遊のバックパック旅行を計画しました。スペインというとかなり暑いイメージがありますが、フランス国境に近い北の地方はさほど極暑でもないだろうと考えてのことです。少なくとも、イギリスではひんやりとした涼しさで心身を休めることができるだろうと考えていました。

ところが、実際にフランスのシャルルドゴール空港について見ると、何かが違うのです。以前経験したように、カラッとした欧州特有の夏の空気ではなく、ただ『熱い』空気が空港じゅうに澱んでいました。非常に暑かったのですが、空港内には空調がきいていないのです。じわりと汗が浮かび、タクシーでパリ市内に向かう際にも息がつまりそうでした。ホテルについても、そのけだるい暑さは変わりません。室内、どこの個室内にも空調はなく、「どういうことだ」と思ったのです。ホテル従業員に聞けば、この年(2003年)は記録的な猛暑で、アフリカからの熱波がフランスじゅう、欧州じゅうを覆っていたのです。こんなことは今までにもなかったから、と空調の準備がないことを謝られ、ミネラルウォーターをもらいましたが、時差ボケの体を休めることもできずに熱帯夜に苦しめられました。

それからはひたすら苦行の感覚で観光でした。バスで国境を越えてのスペイン、そして電車で英仏海峡をこえてのロンドンでもまた酷暑…。楽しみにしていたはずの涼しい休暇が、「空調すら入らない地獄の行脚」と化してしまったのです。このような酷暑は非常に珍しいとどこでも言われていましたが、暑さの苦手な私にとってはまさに大変なハプニングでした。以来、夏の時季に海外旅行に出る際には、現地の天気情報をくまなくチェックするようになったものです。

こちらもチェック!人気コンテンツ!