短大の卒業旅行として、私は友人とシンガポールへ向かうことにしたのです。決めては治安・時差・値段でした。

出来れば、ある程度「海外」と感じられるくらいの場所に行きたかったため、台湾や韓国は除外したのです。しかし、日本から離れれば離れるほど治安の悪さも気になるところです。何と言っても初めての海外旅行ですから、不安も恐怖心も必要以上に持っていました。

さらに、ヨーロッパまで行ってしまうと、値段が跳ね上がってしまいます。学生だったため、それ程高額な旅行は出来ず、断念。

ハワイやグアムも検討したのですが、時差が気になりました。その結果、総合的に判断して、治安がよく、海外と感じられる距離で、値段も安く、時差もほとんどないシンガポールに決定したのです。

しかし、どんなに準備万端でも、初めての海外旅行はやはり珍道中となってしまいました。

まずは出発したのがまだ雪の残る春だったのに、シンガポールは真夏だったため、持ち物や着替えに苦労してしまいました。空港や飛行機の中で着換えればよかったものの、その持ち物が邪魔だと判断した私たちは、雪の中サンダルで出発したのです。そして滑って転んで、上着も薄手のものにしたため、寒さに震えあがっていました。

シンガポールに到着すると、今度は思った以上に暑く、用意していた薄手の長そででは暑すぎてがっかり。

さらに現地で迎えてくれたガイドさんはなんと日本語が苦手なのです。話している内容がさっぱりわからないのに、「OK?」と言ってすぐに去ってしまいます。結局何時にどこに行けばいいのか、何をすればいいのかわからないまま、友人とガイドさんが言っていたであろう内容を検討し、とりあえず行ってみようという感じです。

ほぼガイドさんなしの状態の初旅行になってしまったため、道には迷うし、高額な偽物のブランド財布は購入してしまうし、なぜか現地人にナンパされてしまうし、遊覧船に乗れば酔ってしまうし、踏んだり蹴ったり。

それでも、その苦労したことがまたいい思い出となるものです。何度も迷ってあちこちさまよったこと、お土産を買い忘れて、最終日あちこち走り回ってお土産購入に大慌てだったこと、ガイドさんといつまでも理解し合えなかったこと、そんな日本語が超下手なガイドさんにちょっとだけ愛着がわいてしまったこと、帰りの空港で冬用の上着をスーツケースに閉まったまま空港に預けてしまったため、真冬の千歳空港で半袖で過ごしたこと、今となってはとても楽しい思い出です。

しかし、その時たくさん撮影した写真は現像してみるとほとんどが真っ黒で、大切な思い出を振り返るのは頭の中でしか叶いません。写真を見返すことができたらな、と思います。

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